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⑥双胎間輸血症候群について

1. 双胎の種類について

双胎間輸血症候群(Twin-twin Transfusion Syndrome: 以下TTTSと略します)は、一絨毛膜性双胎の約10%に発症する病気です。
一絨毛膜とは、「双子でも胎盤は一つ」という意味です。双子は全員に胎盤が二つあるとは限らず、一絨毛膜の双子は、一つの胎盤を二人で共有しています。

二絨毛膜二羊膜性双胎、一絨毛膜二羊膜性双胎、一絨毛膜一羊膜性双胎

上の絵は、3種類ある双子の種類について図示したものです。一番左の二絨毛膜の双子は「胎盤が二つ」ありますが、真ん中と一番左の双子は「胎盤が一つ」しかありません。このような一絨毛膜性双胎にTTTSは起こります。
(理論的には一絨毛膜一羊膜性双胎にもTTTSは発症します。しかし実際には、TTTSはほぼ全例が一絨毛膜二羊膜性双胎です)

 

2. 双胎間輸血症候群の発症原因

DDとMDにおける胎盤・血管形態通常、胎児の血液は心臓から臍帯動脈を通じて胎盤に送られ、母体の血液との間で酸素や栄養分を受け取り、臍帯静脈を通じて胎児に戻ってきます。
胎盤が一つの場合、右の図のように双子は胎盤を共有して成長しているため、発育に必要な臍帯動脈と静脈の先が吻合していることがあります。
これらを「吻合血管」と呼びます。つまり吻合血管を通じて、胎児同士は血液の行き来があります。

 

3. 双胎間輸血症候群を発症した場合

双胎間輸血症候群の原因は解明できていない部分もありますが、一絨毛膜双胎の10%に起こります。双子同士の血液の循環がなんらの理由で障害され、一方は供血児(ドナー)、他方が受血児(レシピエント)となります。

受血児は循環血液量が増加し、多尿、羊水過多、進行すればうっ血性心不全となります。
供血児は循環血液量が減少し、乏尿、羊水過少、心不全となります。

どちらの児でも放置すると病気が進行し、子宮の中で亡くなることがあります。
また羊水過多が進行すると切迫流産または切迫早産となり、治療を行っても流産、早産に至ることもあります。
無治療の場合、児の死亡率は80~90%、羊水除去(羊水過多の治療)を行っても児の死亡率は50~60%でした。

 

4. 双胎間輸血症候群の治療法 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術 (内視鏡的胎盤吻合血管レーザー焼灼術)

MEDICAL VIEW社 一絨毛膜双胎 基本からupdateまで 2007より転載本治療法は、2002年から日本で導入され、現在年間150人以上の方が手術を受けられています。
TTTSと診断された妊娠16週から28週未満の方が対象となります。

当院では硬膜外麻酔、静脈麻酔下に子宮内に右図のように内視鏡を挿入し、胎盤表面に存在する吻合血管をレーザー光線で凝固する治療法です。

手術は難易度により異なりますが、1-2時間が必要です。

手術後は10日から14日入院していただき、慎重に児の経過を診ます。

手術後の合併症は、破水、出血、切迫流産、切迫早産、児の死亡などがあります。

手術は当院を含め全国10施設で可能です(2016年1月現在)。
中国四国地方では川崎医科大学のみ施行可能です。

 

5. 胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術の成績

胎児鏡下胎盤吻合血管レーザー凝固術の成績治療成績は右表となります(生後6か月時点)。

 

双胎間輸血症候群に関するご質問は下記へご連絡ください。

〒701-0192 岡山県倉敷市松島577
川崎医科大学附属病院 3階 女性医療センター 
産婦人科外来
担当 産婦人科学1 講師 村田晋
   産婦人科学1 教授 下屋浩一郎
TEL 086-462-1111(代表) FAX 086-462-7897

双胎間輸血症候群に関するご質問は川崎医科大学附属病院 3階 女性医療センター  産婦人科外来 086-462-1111 までご連絡下さい。

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