

川崎医科大学 産婦人科学1
下屋浩一郎
大学病院としての役割として研究を忘れることは出来ません。研究というと基礎研究ばかりに目が行ってしまいがちですが、私たちはむしろ臨床研究が何よりも大切であると考えています。一つ一つの症例を大切にする症例報告が臨床教室の研究の第一歩だからです。その姿勢はどのような環境にあっても臨床医として最も重要なことであると考えているからです。その上で臨床での疑問や興味を明らかにするために臨床研究さらに基礎研究があると考えています。
研究というと一歩引いてしまう方がいるかもしれませんが、研究を通して得られる思考力は長い医師としての生活で決して無駄になることはないと思います。専門医志向の先生方が多いと言われていますが、川崎医科大学産婦人科では両者を両立させることが可能です。各分野での研究内容を以下にお示しします。
妊娠中および分娩後のストレスについて唾液中のストレスマーカーの測定やVASを用いて解析し、以下のような成果を得てきました。
早産や妊娠高血圧症候群は妊娠中の合併症として最も重要なものであり、世界中の多くの研究者がこの問題に取り組んでいます。
病院の性格上多くの合併症妊娠および産科合併症の症例が集まってきます。私たちは一例一例を大切にして症例報告や疫学データをまとめています。
卵管・子宮内膜・子宮頸管・精漿における免疫系の受精・着床などの妊孕現象に及ぼす影響について解析してきました。関連施設と協力して研究を遂行しています。
遺伝子改変モデル動物を用いて抗がん剤、放射線治療の効果についての解析を行っています。また、同モデルを用いて漢方薬の効用についての研究を行っています。
周術期の血栓・塞栓症の発症と予防についての臨床研究を行っています。
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